クレジットカード会社の系列
クレジットカードの発行を行う企業は、設立母体又は自身の業種によって様々
な種類があり、15年程前迄は銀行を母体とする銀行系、信販会社による信販系、
流通会社を母体とする流通系の3つでクレジットカードの発行枚数の殆どを占
めていたが、1980年代から石油系・交通系、1999年からは消費者金融による消
費者金融系、2000年代にはこれら以外の異種業による参入が起きている。
・銀行系クレジットカード
銀行又は銀行持株会社のグループ会社が銀行系であるが、ここでは、銀行系ク
レジットカード会社によって設立された日本クレジットカード協会の会員を銀
行系とする。
現在のメガバンクが中心となり設立したジェーシービー(JCB)、三井住友カー
ド(以下「三井住友」)、ディーシーカード(DC)、UFJニコス(UFJ)、ユーシー
カード(UC)と外資系のシティカードジャパン、American Express Internation
al(日本支社)などが主である。但し、UCは自社でクレジットカード(UCカー
ド)の発行は行わず、流通系のクレディセゾン(以下「セゾン」)又はブラ
ザーズカンパニーであるUCカードグループのいずれかが行う為、他の銀行系と
は大きく異なる。
上記以外の銀行系の多くは、JCB、DC、UFJ、UCと提携し、又は三井住友を中心
とするVJAに加盟し、クレジットカードを発行している。但し、りそなカード
はセゾンと、中央三井カードは信販系のセントラルファイナンスとも提携する
など銀行系以外との提携も行われている。特にセゾンは銀行系との提携に積極
的であり、2006年10月には静岡銀行と提携し、同行との折半出資で新たに会社
を設立する事を発表している。
また、TSBキャピタルは同社の親会社である東京スター銀行が有するMasterCar
dの権利を利用して TOKYO STAR CREDIT を発行している。
尚、 American Express は当初から旅行(交通機関・宿泊施設の手配など)と
エンターテイメント(演劇チケットやレストランの手配)に関するサービスが
充実していたため、元来T&E(Travel & Entertainment)系というジャンルにも
当てはまる。(日本ではこの他 各種JCBカードやソニーファイナンスのeLIO
カードも同類と見なされる場合がある。)
・信販系クレジットカード
割賦販売法に定める「割賦購入あっせん」を主たる業とする者が信販系である
が、ここでは、社団法人全国信販協会の正会員を信販系とする。
楽天の連結子会社である楽天KC(KC)も今のところ信販系に含まれるが、KCは、
2006年11月1日に信販事業を分割し、同じく信販系のオリエントコーポレーシ
ョンが承継する事を発表した。これは、KCが信販から撤退する事を意味する為、
分割が行われる同日を以てKCは信販系でなくなる可能性がある。
・自動車メーカー系クレジットカード
自動車メーカーの子会社が自動車メーカー系であるが、自社で発行しているの
はトヨタファイナンス及び日産フィナンシャルサービスのみであり、これ以外
は他社と提携した提携カードが殆どである。
・電機メーカー系クレジットカード
電機メーカーのグループ会社が電機メーカー系である。但し、住友信託銀行の
子会社である住信・松下フィナンシャルサービスもこの分類に含まれる。
尚、日立カードサービス及び三菱電機クレジットは前者は日立グループ、後者
は三菱電機グループの従業員(OB及びOGを含む)にのみクレジットカードの発
行を行っていて一般への発行は行っていない。
・流通系クレジットカード
百貨店やチェーンストアなどの流通会社のグループ会社が流通系である。グ
ループ会社のほか、既存のカード会社(ほとんどは信販系)と提携して発行し
ているところも多い。多くは、ポイントサービスも兼ねており、母体のスー
パーマーケットや百貨店などの店舗と連携し、対象店舗での値引きサービスや
カードのポイントが一般加盟店での利用分より優遇されるものがが多く、カー
ド業界の中でもマーケティング力にすぐれた会社が多い。
なお、嘗ての親会社であるマイカルとの提携を解消し、三洋信販が筆頭株主で
あるポケットカードもこの分類に含まれるが、今後の業態再編などによっては
流通系でなくなる可能性がある。
クレディセゾンもセゾングループの解体によって特定の流通グループに属さな
かった所から、2002年以降高島屋・出光・ローソンなど他業種もしくは嘗ての
母体であった西武百貨店の同業他社と積極的に提携する動きが見られ、2005年
度にはユーシーカードの事業統合、2006年には株式の持ち合いをしていた持株
会社のミレニアムリテイリング株全てをセブン&アイホールディングスへ株式
交換する事となり、今後も既存の流通系の枠を超えた展開が期待される。
流通系は国際ブランドと提携せずに発行するハウスカードのみを取り扱うもの
も多く、百貨店の伊勢丹子会社である伊勢丹アイカードが有名である。これ以
外では、DIY・ホームセンター運営会社などが自社(自前)で行っているもの
も多い。
流通系に於いて最上位のカードは百貨店の外商カードであり、三越を例に挙げ
れば、お帳場カードが最上位となる。これは、医師・弁護士・著名人などの自
由業や企業の幹部社員など比較的社会的地位が高く裕福な者や、非常に高額な
買い物をした者に外商担当など百貨店の社員が勧誘する事によって入手出来
(招待制)、1割以上の値引きや上得意客向けのサービスが受けられたりする
事が起因だが、店によっては単純に社員紹介だけで余り買い物をしない者でも
入手できる所もある。外商カードは発行元や利用範囲(外商だけしか使えない
等)によって、クレジットカード(ハウスカード)でなく、「掛売カード」と
いう位置付けにしている場合もある。
・協同組合系クレジットカード
ここでは商業者で構成される、協同組合連合会日本専門店会連盟(日専連)や
協同組合エヌシー日商連などの傘下の協同組合を指す。
日専連の場合は、DCやJCBが加盟店を開放し発行されている。国際ブランドはJ
CBとVISAが大半取り扱われていて、MasterCardは日専連札幌などが発行するの
みである。
・交通系クレジットカード
鉄道や航空などの事業を行う者及びそのグループ会社がいわゆる交通系である
が、国際カードを自社で発行しているのは鉄道事業者の東日本旅客鉄道(JR東
日本)及び小田急電鉄、グループ会社で発行しているのは鉄道系の東急カード、
東武カードビジネス及び京阪カードのみであり、これ以外はハウスカードのみ
又は他社と提携した提携カードである。
その他、信販系などのクレジットカード会社と提携する形で、何らかの特典
(例「JR東海エクスプレス・カード」のような、東海道新幹線の割引特急券を
購入可能)を持つクレジットカードを発行する鉄道や航空会社グループも多い。
航空会社ではマイレージサービスと一体化しており、航空路線の利用以外にも、
加盟店でのクレジットカード利用金額によって「マイル」が蓄積される制度に
なっている。
なお、関西地方の大手私鉄で発行している乗車カード「PiTaPa」(ピタパ)も、
クレジットカードと同様の後払い式のカードであり、国際ブランドクレジット
カードと提携したカードも存在する。
・石油系クレジットカード
民族大手のコスモ石油はセントラルファイナンスと提携し、国際ブランドの付
いた「コスモ・ザ・カード トリプル」を発行している他、信用保証(与信・
債権回収)・会員対応の業務とキャッシングサービスをセントラルファイナン
スに委託した上、直接自社からハウスカード(「コスモ・ザ・カード<ハウス
>」「コスモETCカード」)を発行する形態を石油業界で唯一とっている。
同じく大手の出光興産は、現在クレディセゾンとの折半出資会社である出光ク
レジットを通して「出光カード」を発行している。これも石油会社がクレジッ
トカード事業会社をもつ唯一のパターンである。
・消費者金融系クレジットカード
消費者への金銭の貸付けを主たる業とする消費者金融大手もクレジットカード
を発行している。但し、消費者金融系が発行するクレジットカードの多くは、
キャッシング用のカードにショッピングの機能を加えたものでありメインは飽
く迄キャッシングである為、他の系列に比べてクレジットカードとしてのサー
ビスは乏しい。
・独立系(その他)クレジットカード
本業が流通系やメーカー系などに当て嵌まらないその他の企業が、グループ会
社を通じてクレジットカードを発行するもの。日本電信電話(NTT)の子会社で
あるNTTファイナンス(NTTグループカードを発行)やエヌ・ティ・ティ・ドコ
モ(DCMXを発行)、住友商事の子会社である住商ファイナンスなどがある。主
に消費者との接点を持つ流通業者と組んで発行する場合が多い。